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「何で今日は4限まであるんだろう…」
頬杖を付いてため息を吐く奏音。
「は?あと10分で終わるからちょっと黙って」
プリントに書き込みながらメガネを上げると、奏音はシャーペンをくるくる回して携帯を触り始めた。
16時40分に終わる今日は私からしたら急いで帰って地元の駅前の居酒屋でバイトの日。
終わりと共に片付けて急ぐからちゃんと講義を受けてさっと教室を出たい。
「少し早いですが、キリがいいので今日はここまでにしましょうか」
先生が笑ってマイクを置くのを見て、私はさっとプリントと教科書をしまう。
かばんにシャーペンをさして、私は出席カードを持って立ち上がった。
「じゃっ!奏音。また明日!」
携帯を触りながらにこにこしている奏音を見て手を振ると
「バイト頑張ってねー!」
ご機嫌で手を振り返してくる奏音。
「…わかってるね?」
「わかってるって」
もう一度念を押して私は急いでカードを提出してから教室を出た。
まぁ、奏音もそろそろ懲りて冷静になったのかな?
今回は泣かなくていいように…幸せになることを祈ろう。
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