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珍しく後ろから走って来ないと思ったら、奏音は先に教室で座っていた。
「おはよ。早いじゃん。珍しい」
ちょっと笑いながら隣に座ると、奏音は緩んだ顔でこっちを見てにっこり笑う。
「おはよー!何かもう幸せで…今日は日勤って朝早く出てったから私も早く家を出たの」
「…は?朝早く出てったって…泊めたの!?」
聞き捨てならない言葉を聞いて睨んでも奏音はにこにこ笑っている。
「うん…もう…よかった」
「は?」
「めっちゃカッコいいの!私服だとまた雰囲気違うじゃん?一緒にご飯食べてお酒買ってうちで飲んでてね」
幸せオーラ全開。
先月誕生日だった奏音は確かにもう20歳。
お酒飲み始めておいしいって言ってるけど…。
「…もうヤった訳?」
「うんっ!」
ため息しか出ない。
慎重にってあれだけ言ったのに。
「彼氏ってさ…新田さん?」
「え!?何で知ってるの?」
「…今朝見かけたから」
「カッコよかったでしょー?」
ダメだ。
奏音は冷静なんかじゃない。
…にしてもあの感じのいい人が?
大人しそうな草食に見えたのに。
やっぱり男って…。
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