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アウグスタが包みを差し出します。
ほんのり甘い香りがただよってきて、思わず怪物はのどを鳴らしました。
「これは何だい?」
「チョコレート。珍しいものなのよ。昨日来たお客様のお土産なの。すごく美味しいから、あなたにも食べてもらいたくて。自分の分をとっておいたの」
「ありがとう。道すがら食べてみるよ」
ニコニコしながらお礼を言いました。
怪物は美味しいお菓子をもらったことよりも、彼女が村でも自分を気にかけてくれたことを知り、それがとても嬉しかったからです。
アウグスタと別れた怪物は、意気揚々と森の奥へと進みました。
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