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壁に手をつき、おっかなびっくり暗闇の中を歩きます。爪先で行く手を確認しながら進むので、歩みはとてもゆっくりでした。
恐怖から息づかいが荒くなります。何の気配もない洞窟に、怪物の呼吸だけが響いていました。
いえ、よく耳をすますと、他に何か聞こえてきます。
それはかすかな音で正体が何なのかは判然としませんが、音が近くから聞こえることは確かでした。
耳に神経をとがらせていると、ポタリと額に水が落ちてきます。特に深く考えずに天井を見上げた怪物は、ひいっと声をもらしました。
巨大なクモがよだれを垂らして天井に張り付いていたからです。
クモは糸を吐き出すと、怪物をグルグルに縛り上げました。拘束された怪物はもう逃げられません。
抵抗すらできないまま、怪物はクモに食べられてしまいました。
《バッドエンド》
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