一杯目 カシスオレンジ

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 全員が座り、サエとカホはぎらぎらとした目でドリンクメニューを覗く。 「さぁ飲むぞー! 『とりあえず生』に合わせなくていいって幸せ!」 「わかるー。ふだんヒンシュク買いがちな『とりあえずカシオレ』でもいいんだもんね」 「それ! じゃカシオレにしよ」 「じゃあたしも~! タカコは?」 「私も!」 「アカリお酒飲めたっけ?」 「あ、ごめん、得意じゃないからウーロン茶で」 「おれ注文しますよ! ナツは?」 「じゃあアタシもカシオレ!」 「はいよー。で、最後におれが生!」 「アキバまじ空気よめし」 「なんでだよ! 飲みたいもの飲んでいいだろぉ!?」  そう言いながらタブレットの注文をタップする。ほどなくして飲み物とお通しが運ばれてきて、わたしたちは各々グラスを手にとった。 「で、では、ここは僭越ながらおれが乾杯の音頭をとらせていただきます。  先輩方ふたりのご結婚と、久しぶりの再会を祝……」 「「「「「かんぱーーーい!!!!!」」」」」 「ちょっと、ひどくないですかっ!?」  そんなこんなで、わたしたちの楽しい二次会はスタートしたのだった。
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