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愛子の部屋には、女の子の人形が数体あるが、どれもヒラヒラしたドレスを着た人形ばかりである。
ジーパンをはいているカウボーイ人形はとても新鮮だった。
「愛子!何してるの。速くおいで。迷子になるわよ」
母親は、もたもたしている娘を注意する。
「はい。今行く。待ってよお」
愛子は、あわてて人形をリュックに押し込み、母親の背中を追った。
★★★ジョン・ステイン★★★
1時間前、成田空港で高笑いしていたジョンの顔は青ざめていた。
成田空港を出発したタクシーは既に東京駅周辺まで来ていた。
「ない、ない!なぜだ!」
タクシー運転手が、英語でブツブツ言っているお客を、訝し気にバックミラーでみる。
彼はカバンをひっくり返す勢いで何かを探していた。
「あれは娘ジェニーのお気に入りの人形だぞ」
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