Ⅵ 拉致された!⑪

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Ⅵ 拉致された!⑪

俺はどこへ連れていかれるのだろう。 各務の車に乗せられて、どこへ向かって走っているのだろう。 玉石ルフラン株式会社が架空企業である事を警察にでも訴える気か。 それとも、それをネタに俺を脅すか。 (でも……) じゃあ、どうして? (この男は俺を抱きしめたのだろう) 「着きましたよ」 車のシートから引っ張り出される。 「俺っ、部屋着で」 着替える間も与えられず、車に詰め込まれたのだ。強引に。 「これを着てください」 彼のスプリングコートを羽織らされて、今度はエレベーターに乗らされた。 専用エレベーターは高層階で止まった。 「どれでも好きな物を選んでください」
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