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いつかさんと哲雄君を残し、この場から男子生徒達が立ち去っていくのを見届けた俺は今度は二人が離れるのをじっと待つことにした。
俺のターゲットはもはやいつかさんではなく哲雄君に変わっている。
厳密に言うとここにいる少年の哲雄君と・・・あと青年時代の哲雄君にだ。
なぜならあの時・・・青年となった哲雄君の心の中からいつかさんの存在を消去してしまったこと事態が大きな間違いだったと今更ながら気付いてしまったのだ。
一花さん、二三さん、そして俺以外の人物に初めて心の拠り所を見出だしたいつかさんの中での哲雄君という存在はそれ程までに絶大なもののはずで、だからいつかさんは哲雄君と出会ったお陰で自分の中の【バケモノ】を制御することに成功したのだと、そう考えるのが妥当なのでは?と俺は思っている。
しかし、俺一人の力では過去には行けても未来には行けない。
そこで導き出した考えは、少年:哲雄君と既に会っていると思われる未来から来た二三さんに会いに行けばいいだけのこと。
そう!ここにいる少年:哲雄君の記憶から二三さんと出会った場面へとジャンプすれば、自ずと道が開かれるはず!
それにしてもあの二人、いつになったらお別れするんだろうか?
いい加減、待ちくたびれたぜ!
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