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「そうだ。皆さんに紹介しておきますね。家の執事の東です。東は基本的にこの屋敷の管理を仕事としているので分からないことがあれば何でも聞いてくださいね。」
「執事の東 宏樹です。宜しくお願い致します。」
テーブルにお茶を用意して壁際に控えていた東が頭を下げた。
「宜しくお願いします。和音です。」
「美和です。宜しくお願いします。それから若葉も。」
「うん!若葉です!よろしくおねがいします!!」
「はい、宜しくお願い致します。」
「何か用事や聞きたい事があればいつでも使用人に声を掛ければ聞いてくれると思います。各自の部屋にも呼び鈴が着いているのでそちらも確認しておいてください。使用人が伺います。」
蜜月は穏やかにそう言った。
「それから若葉ちゃんにはメイドの泉さんが着いてくれます。」
「倉嶋 泉です。宜しくお願い致します。」
「泉さんは若葉ちゃんのお世話係と護衛をしてくれます。勿論信用できる人なので安心してください。若葉ちゃん、このお姉さんと仲良くしてくれる?」
蜜月が若葉の顔を覗き込んで言うとクマのお人形を抱きしめていた若葉がコクンと頷いた。
蜜月はふと真剣な顔をして和音、美和、若葉と順に顔を見渡した。そして口を開いた。
「皆さんは今日から氷宮家の一員です。氷宮財閥の関係者となります。まだ慣れない事ばかりでしんどいと思います。ですがこれから身代金目当ての誘拐や氷宮に恨みを持った人に命を狙われることもあるかもしれません。
僕たちもそんな事が起こらないよう細心の注意を払っていますが勿論完璧ではありません。これから受け入れられない事や辛い事もあると思いますが皆さんが少しでも早く馴染めるよう僕たちも努力するので宜しくお願いします。」
「ありがとう。蜜月くんは優しいのね。」
唐突に和音にそう言われて蜜月はきょとんとした。
「だってそうでしょう?自分の家に居る危険性を理解してついさっきまで赤の他人だった私たちにその危険性を説明してくれた。更に私たちの安全と過ごしやすさを凄く考えてくれているもの。」
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