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これはもう一つの妖物語。
それは天空(そら)が生きてた頃の物語。
今でも思い出す。
天空(そら)のことを。
きっと忘れない。
かつて300年前俺は生まれた。
父上と母上はいたものの、旅に出て帰って来るのが遅かった。
面倒は俺の姉上にみてもらっていた。
俺が4才になったある時だった。何日も父上と母上が帰って来ない日があった。
ある時はまだ幼いため姉上と泣いて一緒に外を歩き回って探したほどだった。
そのときだった。ある一人の妖に話しかけられる。それは天空(そら)だった。
「大丈夫か?家はわかるか?」
そして姉上が言った。
「家は近く。あのね、お母様とお父様が旅にでて何日も帰って来ないの。」
「そうか。俺が二人の面倒みる。」
姉上が言った。
「ありがとう。お兄様。」
「お兄様ってなんだよ。」
天空(そら)は笑いながら言ったのだった。
「そうか。お兄様でもいいぞ。」
そしてこれからは天空(そら)が面倒を見ることになったのだった。
例えばご飯を作ったりと。
そんな日々が2年続いたある時だった。
他の父上と母上と旅に出ていた妖から聞いた。父上と母上は旅で亡くなったと。
原因は悪い妖の呪いだったということ。
俺は涙が込み上げてくる。
ある時は俺が天空(そら)に問いかける。
どうしたら悪い妖を倒すことができるのかと。
天空(そら)は言った。
「例え強い妖でも無理だ。だけど勝てる方法がある。仲間を集めて心を一つに刀を合わせること。」
「刀を合わせる?どう言うことだ?」
「仲間の心を一つにして伝説の技を出すんだ。伝説の龍の技を。」
「そうか。」
俺は天空(そら)に聞いてみる。
「悪い妖の呪いにかかるとどうなる?」
「かかると始めは体が痛くなり、その後死んでしまう。誰も呪いを解ける者はいない。解くには倒すしかない。」
俺には気になったことがあったので問いかけてみる。
「呪いが起こった原因はなんだ?」
「それは1000年前の話。かつて人間と妖の戦いがあった。その戦いに人間は勝った。」
「なんで人間が勝つのだ?なんにも能力など持っていないはずだ。」
「それは人間が陰陽師だったからだ。陰陽師は封印したり、呪文で戦かったりできるからだ。」
「その後どうなったんだ。」
「勝った人間の陰陽師は、妖の力が欲しくて肉を食べた。その後に人間は鬼と化して、いろんな人間や妖を襲って呪いをかけたのだった。だがそれが二体もいると言うことだ。」
改めて知った。妖の呪いの怖さを。
そして人間で言うと16才の時
そしてその後身を守るための刀を天空(そら)からもらった。
「これである程度結界を作って身を守るんだ。」
「そうなのか。ありがとうな。天空(そら)」
その後刀の使い方を教えてもらったのだった。
そして、天空(そら)が言った。
「そうだ。少し妖町見回ってくる。被害が出てないか。」
「分かった。気をつけて行くんだぞ。」
そして天空(そら)は家を出た。
そして数時間後…
未だに帰って来ない。
なぜだろうか。
そしてまた数時間後…
「帰ってきたぞ。…痛い。」
「どうした!何があった。」
「歩いているときに転けただけだ。問題ない。」
「天空(そら)も結構おっちょこちょいなんだな。」
俺と天空(そら)は笑っていた。
俺にとっては天空(そら)は家族のような存在だった。
数日後…
「今日は俺と妖町の見回りに行こう。」
俺は天空(そら)を誘った。
そして誘い妖町を見回った。
そのときだった。天空(そら)が痛みを訴える。
「だ、大丈夫か?」
「か、体が痛い。動けない」
「本当に大丈夫か。家に帰るか。」
急いで家に帰った。
天空(そら)が言った。
「もう駄目だ。ご、ごめんな。」
「どういうことだ。天空(そら)まだまだこれからだぞ。」
「俺はもう無理だ。ごめんな。ありがとう」
「どういうことだ!天空(そら)!もしかして悪い妖の呪いか?!なぁ目覚めてくれ。天空(そら)。天空(そら)!」
俺は始めて自分を憎んだ。なぜ異変に気付けなかったのかと。
俺は馬鹿だ。もうあの頃には戻れないんだ。
そして人間で言うと17才の時
悪い妖と戦っている時蒼龍として敵の技をかばってくれた。
助かった。天空(そら)ありがとう。
お前のことはずっと忘れないぞ。
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