記念日

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記念日

「 や、やっぱり大丈夫です!! 」 緊張しすぎたせいか、自分が何を言っているのか、分からなくなっていた。 あの電話に繋がった女性は、本当にあの女性だったのだろうか。 声も一瞬聞いただけで、はっきりとは覚えていない。けれど、あの女性を見た瞬間から、何か今までにはない感情が出ていた。私の胸の奥が騒ぎ始めていた。こんな気持ち初めてで、自分でもどうしていいのか分からない。 「 何やっているんだ私は。そんな訳ないじゃない!」 少し心を落ち着かせ、私は鏡を取り出す。今日は、私の生まれ変わった記念日……。 私、生まれ変わる事ができた。この日をどれだけ待っていた事だろう。
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