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「優花さんは、なにか悩みがあるから、この神社を訪れ、お賽銭を投げたんですよね?」
「……ここは、なやみをきいてくれる、神社なんですか?」
優花の問いかけに、夕月は微笑む。
「優花さんは、こんな話を聞いたことありませんか?
昼から夜へと変わる逢魔が時。悩みを抱えて歩いていると、狐の神様を祀っている黄昏神社にたどりつく。そこで、お賽銭を投げ入れると、狐の神様が現れて、悩みを聞いてくれる。
というお話なんですが」
「お兄さん、きつねの神さまなんですか?」
「ふふっ。どうでしょう」
いたずらっぽく笑う夕月に、優花はむぅっと頬を膨らませました。
「まぁ、僕が狐の神様かどうかは、横に置いといて。
悩み事があるなら、話してみませんか? 見ず知らずの相手だからこそ、話せることってあると思うんです」
「でも、わたしのなやみは、わたしのわがままだから……」
優花は俯いてしまいました。
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