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「ママとパパは、そんなこと言わない。でも、ふたりとも、すごくたいへんそうだから。わたしはあそんでほしくても、ほめてもらいたくても、がまんするの。がまんはなれてるもん……」
泣きそうな声でつぶやく優花の頭を、夕月は優しく撫でました。
「優花さん。たしかに、時には我慢をすることは、大切です。でも、我慢し続けるのは、よくありません」
夕月の言葉に、優花は顔をあげました。
「我慢をし続けると、いざという時に、自分の意見を言えなくなってしまいます。意見を言わないということは、それで満足していると思われてしまうのです」
「うん……」
「せっかく意見を言えるお口があるのですから、自分の考えは、口に出してみましょう」
優花は夕月の言うことは理解できるのか、頷きはするものの、納得はしていないようでした。
それでも、夕月は話を続けます。
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