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 彼には秘密が4つある。  三日前、その衝撃の事実を知ってしまった私は、もう気になって気になって仕方がなかった。  預金通帳の場所まで教えてくれるような彼が、教えてくれないこと。  そんなに大事なことってなんだろう。  たとえば。  本当にたとえばだけど。  ……浮気、とか。    いやいやいや、それならそもそも秘密があるとか言わないはず!  そこまで数也はバカじゃないはず! ……はずだよね?  考えれば考えるほど、一人で勝手に疑心暗鬼に陥ってしまう。  良くないことだとは分かるけど、頭が勝手に悪い方向に考えてしまう。  ……もうこうなったら、真相を突き止めよう。  私はそう決意した。  彼の秘密を暴こうとするのは本意ではないけれど、このままでは私は彼を疑ってしまう。  真相を突き止めるまでいかなくとも、せめて浮気ではないことくらいわかればそれでいい。  ひとまずサークルの後輩にそれとなく話を聞いてみようか。  今年は就活生なのでサークルは引退したが、もしかしたら何か知ってるかもしれない。  私はスマホで仲の良かった後輩にメッセージを送った。  
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