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家に帰ってからはショタコン変態男のことは頭になくなり優子に振られたことばかりが大空を覆う黒雲のように頭を埋め尽くした。
「なんとか仲を取り戻すことは出来ないかなあ」和也は小学六年生の頭脳をフル回転して考えた。「そうだ!これを塗っていい薫りをさせながら謝ればいいんだ!」そう結論を出したのは、夜、風呂から出て洗面所の棚に置いてある父のオーデコロンを目にした時だった。それからバスタオルで頭を拭いている時に、「あっ、そう言えば、パナマがない!」と今頃気づいた。「逃げてる時に脱げて飛んでったんだ」
取りに行こうにも暗いし、寒いし、窓から外を見れば、雪が降っているし、況して風呂上がりだから折角温まった体が冷えてしまうしと和也は思ったから大事なパナマとは言え、とても出かける気にはなれなかった。
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