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明くる朝、和也は雪が少し積もった通学路を同じ通学班の下級生を引き連れて心配と不安と僅かな期待を抱き、オーデコロンの香りを漂わせながら歩いていると、「無茶苦茶いい匂いする!」と和也の真後ろの下級生が言ったので期待感をちょっぴり増すことが出来た。
登校後、教室に入った和也は、友達と談笑する優子をちらっと見てから席に着いてランドセルから机の中に学習材を移した。全校朝礼までに謝る機会を窺ったが、優子は和也を無視して顔を合わそうとはしなかった。
休み時間もそっぽを向くばかりで目の前で謝っても聞く耳を持たなかった。
「オーデコロン効果なしか・・・」和也はがっくりして悄然となり、落ち込む余り給食も喉を通らなかった。
「どうしたんだ?」と周囲の同級生から訊かれても和也が沈んだ顔の儘、返事をしないので心配になった生徒が担任の先生に告げた。
で、やって来た先生に、「一体どうしたの?気分でも悪いの?」と訊かれた和也は、力なく頷くのが精一杯だった。
結局、先生に保健室に連れて行かれた和也は、1時間ばかりベッドに寝て過ごすことになった。
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