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「もしかすると、あそこに誰か……僕たち以外に、この星に調査をしに来ている人がいるかもしれません。行ってみましょう、先輩」
「でも、どうやって? 海の向こうだぞ?」
「そりゃ、もちろん、泳いで――は、無理ですね」
「この格好じゃな」
僕たちの着ている防護服は、水に入るようにはできていないのだった。
だが、そこで、僕は少し離れたところの浜辺に、緑のツルがあるのを発見した。それは森から出て、まっすぐ海に向かって伸びていた。森に茂っているのよりはずっと太く、色も濃いようだった。
「もしかして、あれは……」
僕はすぐにそちらに駆け寄った。
近くで見ると、それは僕がやはり考えたとおり、海の上を走るようにまっすぐ伸びていた。遠くに見える島に向かって。
「そうか、これはあの島と森をつなぐ、ケーブルみたいなもんか」
「はい。これの上を歩けば、あの島に行けるんじゃないでしょうか」
「まるで橋だな」
僕たちに迷っている時間はなかった。すぐにその太い緑のケーブルの橋に乗って、島に向かった。
なぜツルがこのような橋を作るかというと、たった一つの株ながらも光合成をしながらどこまでも際限なく自分を成長させるその性質と、この星の海の塩分濃度の高さに理由があった。この星を覆うツルは、塩水が苦手なのだ。これは地球の植物をモデルに作られたものだから、まあ、当然だ。そして、将来人が住むことを期待されているこの星の海は、地球のそれと同じような成分で、塩が溶け込んでいた。したがって、ツルは海の中にまで進出することはできなかった。
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