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雲の影を踏め
丘の上で影踏みをして遊んでいたら、
クジラの形をした雲が浮かんでいた。
街にクジラの形をした影が映っていた。
誰かが言った、
あの影を踏もう。
僕たちは丘を降りて街へ駆けていった。
街の中は建物がいっぱい。
車もいっぱい。
人もいっぱい。
いろんな形の影がある。
クジラの影は大きくて、
街の中ではどれがクジラかわからない。
昼間の影は短いけど、
夕暮れ時の影は細長い。
ますますわからなくなってきて、
僕たちは丘に戻った。
クジラの影は、
街の向こうの海で悠々と泳いでいた。
そして夜が来て、
クジラは海に消えていった。
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