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それから内藤は時々家を訪ねて来るようになった。猫とぬいぐるみを話し相手にしていた彼女にはきっと好ましいことに違いない。 最初はぎこちなかった二人の会話も、次第に弾むようになった。数週間後には、話題がアチコチ飛んでまるで女子会のように盛り上がるようになった。けれど、毎回最後には僕の話になった。お互いが自分しか知らないだろう僕の話を披露しあって、笑ったり、怒ったり、涙ぐんだりしていた。ごく親しい人間が自分の話をしているのは、なかなかの恥ずかしさで、僕はたびたび、そっと2階に避難した。 内藤は、毎回、なにかしらのスウィーツを買って来た。 ゆき子は、もともと甘いものに目が無かったから、内藤のもってくる品々は口にする気になったようだ。やがて、食欲も戻ってきた。 猫として再会した直後の彼女の様子に、もしや最悪の選択をするんじゃないか、と、毎晩彼女に寄り添って寝ていた僕も、日に日に深い眠りにつけるようになった。
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