クローゼット番外編~愛する君への贈り物

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* (あそこだな……) シュミット家の屋敷はすぐにわかった。 トルスの町では見たこともないような立派なお屋敷だ。 俺は、屋敷の手前の木陰に身を潜め、様子をうかがった。 きっと、今、ここにミシェルがいるんだ。 そう思うと、すぐにでも会いに行きたいけれど、行ったところできっと門前払いをされるのがおちだ。 シュミットさんは、俺のことを嫌っているから… では、どうすれば良い? ずっと、ここで待つしかないのか? 確かに、待っていればいつかミシェルは出て来るだろう。 診療所に行くだろうから。 でも、きっと馬車だ。 そしたら、ミシェルを見ることも出来ない。 だとしたら、診療所に行く方が良いか。 そうだ…ルイスのいる診療所で働かせてもらったらどうだろう? そしたら、ミシェルに会える。 それに、シュミットさんだって、まさか、仕事を辞めさせるような真似はさせないだろう。 いや、それはわからない。 辞めさせろというかもしれないし、俺がそこにいるとわかったら、もう一軒の診療所に移るかもしれない… 「そこで何をしている。」 考え事の最中、急に響いた声に、俺はびっくりして振り返った。
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