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「ボク」の一日、空の旅
ピロリーン
ピロリーン
ボクはあなたと外に出る。
ぶらぶら
ぶらぶら
ボクはあなたと手を繋いでいる。
ガサガサ
ガサガサ
ボクは揺れながら地面をただ見つめる。
さわさわ
さわさわ
少し風が吹いて、木の葉を揺らす。
ベンチに座ったあなたの隣にボクも座った。
ボクはあなたにパウンドケーキを差し出す。
もぐもぐ
もぐもぐ
あなたはパウンドケーキを少し慌てたように食べている。
ぴゅーざわわ
ぴゅーざわわ
ひときわ強い風が吹いて、木の葉がうるさく揺れた。
「からっぽ」のボクは空へと舞い上がった。
くるくる
くるくる
驚いて見上げるあなたの姿がだんだん小さくなる。
どこへ行く?
どこへ行こう?
風に任せてどこまでも。
ひゅおぉ
ひゅおぉ
全身を動かして、風とダンスを踊る。
ガサバササ
ガサバササ
風に乗ってボクの体が音をたてる。
ぴゅーひょろろ
ぴゅーひょろろ
トンビがボクの周りを回る。
くるくるり
くるくるり
トンビと一緒にワルツを踊る。
ブルブル
ブルブル
下を見るとたくさんの車が走っている。
ギラギラ
ギラギラ
存在を主張していた太陽が沈んでいく。
ぴかぴか
ぴかぴか
街が明かりに包まれていく。
キラキラ
キラキラ
上を見上げると星が瞬く。
ぷかぷか
ぷかぷか
浮かぶ月を背景にボクは広がったり、縮んだり。
ちゅんちゅん
ちゅんちゅん
月が沈んで朝が来た。
鳥たちの合唱が聞こえる。
びゅおー
びゅおー
急に強い風が吹いて、ボクを下に叩きつけた!
ガタガタガヤガヤ
ガタガタガヤガヤ
人で溢れかえる交差点で、ボクは建物の隅に着陸した。
カチカチ
カチカチ
ホッとしたのもつかの間、ボクは火バサミに掴まれて袋の中に突っ込まれた。
「このご時世にレジ袋を落とすなんて…もったいない」
ボクの空の旅はこれでおしまい。
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