☆100の嘘と1000の愛☆

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それから 10年、過ぎた。 私達夫婦は 結婚、20年目。 子供もいないせいか もう、ただの、空気のような存在になっていた。 夫は 一人息子のため 義理両親の誕生日や、母の日 父の日、敬老の日 そして お正月には 実家に戻り 4人で 食事をした。 誰がみても うらやむ夫婦だと思う。 夫の実家の近所には 『優しいお嫁さん』と 言われて 義母も、嬉しそうだった。 私も、夫も 外面は良かった。 しかし 家の中での会話は ほとんど なかった。 夫は 『風呂』 『メシ』 『寝る』 これ以外 言葉に出すことはなかった。 大事な事は LINEでやりとりしていた。 週3勤務の私は 週4は、休みなので 夫の両親の家に行き カーテンの洗濯やら 庭の草むしりやら 高齢の両親ができないことを 色々、頼まれてやっていた。 高齢者は、 洗濯機で なんか 変な音がする。 壊れたかもしれないと 新しいものを 買おうとするので 私が見に行き 取扱説明書をみて 直すこともある。 わからないことは メーカーに問い合わせたりした。 FAXの用紙が詰まった それだけでも、 お義母さんに呼ばれる。 お風呂の お湯張りのお湯の量が パネルを触ってしまって お湯張りをすると お湯が溢れると 電話があれば 私が見に行く なぜ、 息子に頼まないのか? と いつも私は不満に思っていた。
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