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タマコは自分が裕福なお屋敷に飼われている事を自覚していました。
飼い主一家には深く愛され、食事は豪華、気ままに外出できるし、子供も自由に産ませてくれる。
それがどんなに恵まれていることか、良く分かっています。
本当に素敵な御主人達。
産んだ子供らだって御主人が八方手を尽くして引き取り先を見つけてきてくれる。
だから皆幸せに暮らしているはずです。
「あれっ? 子猫また増えてない?」
飼い主ママが目を丸くして言いました。
「そうかい? きっと最初から居たのに僕達が気付かなかっただけだよ」
飼い主パパが答えます。
「そうかしら??」
「そうだよ。子育て中はタマコが怒るからあまり子猫には近寄らないようにしてたじゃないか」
「うーん、でも何か他の子猫と大きさが違うような気がするのよね・・・・・・」
「育ち方に差がつく事もあるさ。あはは」
飼い主パパはとても呑気な性格です。
タマコは外回り中に孤児となった子猫を見つけるとお屋敷に連れ帰ります。
そして自分の子供達の中にこっそり混ぜておくのです。
そうしておけば御主人達が誠実な貰い手を探してきてくれるからです。
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