MY脚本を晒す

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MY脚本を晒す

落選したのでMY脚本を晒します。別に、どこかで使う予定もないので。 後半で、ちょっと脚本を解説します。 ※ 本来は小説と同じく、縦書きです ーーーーーーー 〇小学校・教室・中    ボロボロの服を着た藤沢巧(7)が机で勉強をしている。    算数の教科書を広げ、ノートを取っている。    ノートから一切目を離さない藤沢。 藤沢M「勉強以外は、求めてはいけなかった。それ以外の補助金を、誰も与え  てくれなかったから」     〇高校・教室・中    学生服の藤沢(17)が勉強をしている。    机には東大の赤本とノート。    窓際で女生徒二人が話している。 女生徒A「あの人、来るのかな? 修学旅行」 女生徒B「こないでしょ。昼ごはんも食べれないのに」 女生徒A「だよね……。うちの班だし、来たらテンション下がるっていう  か……」 女生徒B「顔は美形だし、来るくらいはいいんじゃない?」    勉強をしている藤沢。    表情は一切動かない。 女生徒A「鉛筆君は……ちょっとね。髪ぼさぼさで、なんか怖いし」    ノートを取っている鉛筆が止まる。    鉛筆の芯が折れる。    藤沢の表情だけは、無表情のまま。 〇大学・講義室・中    最前席でノートを取っている藤沢。    後ろの学生が話している。 学生A「インターンシップ決めたか? やっぱ外資金融は激戦になんのかな」 学生B「給料良さそうだもんな」    藤沢、ノートに「外資」とメモを書く 学生A「でもさ、営業もやらされるんだよな」    眉間を寄せ、ノートの「外資」に×をつけようとする。 学生A「美人のキャリアウーマンとかごろごろいるかねえ」 学生B「いても、お前なんか見向きもされねぇよ」    無表情な視線をノートに落とす。    ノートの「外資」を丸で囲む。 〇JPサックス証券・外観     煌びやかな会社。 〇同・会議室・中    ホワイトボードの前に立つ、笹川美香(31)。 美香の声「皆さんはまだ学生かもしれないけれど、二年後には私と同じ土俵に  立ちます。新入社員だろうと、平等に機会が与えられるのが、わが社の社  風」    長机がいくつか並び、学生が座っている。その前で、美香が会社説明を    している。    スーツの学生が座っている中、藤沢は最前列に私服で座っている。    顔を下げ、渡された会社案内を広げ、書き込みをしている。 美香の声「その前に、まずは社会人としての常識を身に付ける必要がありそう  ね」    資料に顔を伏せている藤沢の前に、猛々しく美香は手をつく。    ビクっと藤沢の書く手が止まった瞬間、美香は藤沢のメモ資料を閉じ      る。 美香「今は、私が話をしている」    資料を丸め、藤沢の顎にあてて顔を上げさせる。    藤沢と美香は、見つめ合う。    自信に溢れた美香の姿。    美香の背景が真っ白になっていく。 美香「私を見ていなさい」    藤沢は唾を飲み込み、大きく目を見開く。 藤沢M「勉強だけしか無い人生だった」    美香の周囲の背景がゆっくり見えるようになっていく。    美香は微笑する。 美香「返事は、無いのかな?」    窓に鳩が一羽やって来る。 藤沢「はい」    鳩が空に飛び立つ。    青空。 藤沢M「誰かを求める人生は、彼女に与えられたものだった」 〇タイトル    「Under The Moonlight」 ーーーーーーーーーー 落選作品を見せられてもなー、って感じですが、冒頭です(笑) フォーマット的にズレているかもしれないですが、書き方の説明を簡単にします。 〇場所・場所の詳細・時間 ↑これを、柱と呼びます。 いつ、どこで、何時? ですね。時間指定が無ければ、全て「昼」となります。 「中」というのは、内か外か? カメラアングルの事です。どこからカメラを向けているか? です。「中」というのは室内にカメラがある。「外」は室外にカメラがあるって事。よく区別されるのが「玄関」玄関の中なのか外なのか? 先頭に「〇」がついていますが、この中に、後から数字が入ります。 この数字が「シーン〇」というシーンの順番になります。ADさんがパチん! ってするあれに書かれている「シーン1」とかです。 次に、3マス下げになっている部分。これが「ト書き」。状況説明です。 ここでイメージして欲しいのは、「絵コンテ」です。四コマ漫画みたいなアレ。1行で、絵コンテの1コマです。次の1コマになると、次の行になります。 ※人によっては「句点。」が付いたら、行変更という人もいます。 この1コマを、「カット」と呼びます。 小説みたく文章が上手く無くても、作業員に伝わればOK。監督が「絵コンテ」作れればOKです。 初登場時のキャラは、(年齢)を書きます。今回だと「藤沢巧(7)」と書いてあれば、藤沢が7歳って事。「藤沢(17)」は、藤沢が17歳ってこと。 会話文の前には、誰が話しているのかを書きます。 「M」はモノローグ、独白の略。ナレーションだと「N」。ぶっちゃけ、どっちでもいい。監督が決める事なので・・・ モブキャラについては「町人A」とかみたいにABCで書きます。 この台詞でのルールで、男性の場合は「苗字」表記、女性は「名前」表記です。 でもフェミニストの脚本家さんは、女性名でも苗字で書きます。 後、台詞の2行目は1マス下げ、です。 以上! これが脚本の全てだ! ーーーーーーーーーーーー ほんと、これだけなんです。 が、小説と大きく異なる部分があります。 みなさん、上記のシークエンスですが、小説だとどの様に描写しますか? ・藤沢という青年が、幼少期から貧乏で修学旅行にも行けず、女子に陰口を叩かれ、それでもガリ弁で大学に入り、一流企業の説明会で美人のキャリアウーマンに惚れた!  って、ファーストシーンです。 因みに、これはペラ10枚っていう尺になっています。 時間でいうと、5分です。(ペラ1枚30秒計算) もう、このくらいのペースで先に進んでしまいます。 小説書きの皆さん、上記のような行数で、次に行けますか? ここだけで、みっちり10Pくらい使いそうじゃないですか? でも、映像のペースってこんな感じです。 ★★重要★★ 脚本勢から見れば、小説は「書き過ぎ」です。好き勝手やりすぎ。 これしか文字数が無いなら「厳選」するしか方法がありません。 脚本勢から見れば、小説は「厳選されていない」と見えます。 ※上記シナリオに「Mモノローグ」が3回使われています。これが心の声です。が、こんな短時間で3回だと落選基準に引っ掛かります。枚数削減の為、一か八かで書きました。(ってか、3回か……2回かと思ってましたわ) 心の声を必要とするのは「厳選」が身に付いていない結果だと思っているので、この指摘がめちゃくちゃ多いのです、私は。。 御参考になれと思いUPしました。 ご質問あれば、コミュの方で・・・
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