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「日勤先輩っ。」
「あ、池谷、田中先生も。華乃ちゃん、初めまして。今日は来てくれてありがとうね。」
大きくて可愛い華乃ちゃんは、でもすぐ咲夜の方を見た。
「先輩、すっごく綺麗でした。もう鳥肌もので。ねえ、翔、先輩綺麗だったよね?」
「うん、本当に。紺野さん、水木、本日はおめでとうございます。」
田中先生が頭を下げる。この人は本当に所作が美しい。田中先生と対する時にはこちらも背筋が伸びる気がする。
「ありがとう。」
咲夜が微笑む。
「だけど、夜勤君、そのハンサムぶりはどうなの?もはや違法レベル。先輩がモーニング選んだんですか?」
「ううん、彼が自分で。自分に似合うものをよく知ってるから。でも、ちょっと大変だったんだっけ?お店でいっぱい着せられそうになって。」
「ああ、わかるな。夜勤君で着せ替えって。よだれ出ちゃう。」
「あんた、それじゃ華乃ちゃんと一緒じゃない。」
「えへへ。でも先輩、新たな伝説出来ましたよ。病院のSNSでいち早く先輩達の結婚式アップされてて、10分でアクセス100越えですよ。リツイートもすごくて、その内容が笑っちゃうんですけど、一言『泣け』。」
「ああ、やっぱり。もう今日いらした皆さん、ほとんど彼を見に来たに違いないわ。」
「そんなことないですよ。病院における先輩の絶大な人気ぶり、ご存じないですか?ねえ、翔。」
「うん、紺野さんファンのナースたちは至る所にいますよ。勿論医者の中にも。」
「そうだろう、僕はいつもそう言ってるんだけどね。」
そう言って、咲夜は私の肩を抱いた。
「ああ、もうそんな瞳で先輩の事見るなんて。私もうどうしたら良いか。」
「あはは。こうして池谷節を聞けるなんて、嬉しいなあ。早く病棟に戻ってきてよ。」
「先輩、そんな事言ってアメリカ行っちゃうじゃないですか。」
「じゃあ、私が戻ってきたら、どう?」
「どうかな、華乃ちゃん?」
咲夜がぷっくりした足に触れる。華乃ちゃんは、瞬きもせずに咲夜をじっと見つめる。
「翔、この子私に似てるわ。イケメンセンサー、すでに発動。」
「あら、池谷のセンサーは田中先生にフィクスしてると思ったけど。」
「勿論です。翔が一番です。永久に。」
気の毒に田中先生は真っ赤になっている。
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