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翌朝、ベッドの中でぐずぐずしてやっと起き出した。カーテンを開けたら、真夏の太陽が照りつけていた。晴れるんだ、こんな日でも。
鏡を見たら、やっぱり大変な顔になっていた。良かった、今夜は久しぶりの夜勤で。夜勤って、そう言えば咲夜のあだ名だったよね。そう思っただけで、涙が一粒落ちた。何とかしなくちゃ、これじゃほんとに高校時代に逆戻りだよ。ナイトに関しちゃ役立たずのあの私に。食欲なんてなかったけど、仕事にならないから詰め込む。仕事のことを考えよう。結局救ってくれるのは仕事だから。昨日の日勤帯の様子から、今夜の病棟の状況を予測してみる。突発的な入院がなければ、多分落ち着いているはず。今夜は吉永とあと2年目と組む。
夜勤帯の食糧を奮発して、少し早めに病棟入りする。更衣室で電源を切る前に一回携帯をチェックする。着信七回。朝と昼休みと夕方に。ちゃんと仕事集中してるよね?まあ、大丈夫か。あの人は色々な事が重なっても、昔から一つ一つ着実にこなすから。ちゃんと分けられる人だから。こんな気持ちになるなんて、変だね、まだ同じ国にいるのにもう別々が始まっちゃったみたい。
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