明治26年の開校~目黒川女学館シリーズ

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33山田屋敷・一間 れいか、さなに袴を着けてやる。 れいか「よし、これでいいわ。どこから見ても立派な女学生よ」 咲苗「ありがとうございます」 れいか「でも勘違いしないでね。さなは、あくまでも生徒ではなく、給仕なんだから」 咲苗「ハイ!」 れいか「目黒川女学館という正式な校名も決まったことだし、これからは教師も生徒も多くなって、学校回りの仕事が忙しくなるわ。だから、あなたのような給仕が必要になるわけ。希望すれば講義も受けられるようにしておくからお願いね」 34目黒川沿いの道 もはや新緑の季節。 プリシラが登校中の生徒に交じって歩いてくる。 そこへ男たちが石を投げてくる。 プリシラ、石を当てられる。 れいか、走ってきて、プリシラをかばう。 男「藤宮さん、邪魔しないでおくんなさい」 れいか「たとえ外国人といえども、たとえキリスト教を持ち込む人でも、私にとっては恩師です。教え子として理不尽な振る舞いは許しません」 35学館舎・内部 前シーンと直結で。 れいか「キリスト教式の授業の導入は認められません。目黒村村民一同で村役場に嘆願書を出しますので、よろしく」 と言い放って出ていく。 唖然とするみやび、プリシラ。 36目黒村役場・前 大勢の村人が待っている中、嘆願書を提出したれいかが出てくる。 37西郷邸・応接間 西郷従道と有馬恭平がいる。 西郷「学校の問題も加わりもしたか」 恭平「反対派は、女学校開校問題とも絡めて、わが社への攻撃を一層強めようとの魂胆です」 西郷「反対派とおっしゃいましたが、何に反対しておるのでしょうか?」 恭平「(答えられない)」 西郷「(窓から外を見ている)」
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