明治26年の開校~目黒川女学館シリーズ

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52首相官邸・執務室 挿入歌終わって。 伊藤博文と山県有朋がいる。 伊藤「山県さん。目黒村の水争いはどうにかならんのか?清国との関係が悪化している今日、おひざ元が動揺しておるようでは困る」 山県「そのための策は考えておる」 伊藤「ほう?どんな策じゃ」 山県「目黒村で起きた放火事件の容疑者を一斉に釈放する。そうすれば、奴らは暴発するだろう」 伊藤「かつての民権派のように追い詰めていくわけだな」 山県「左様。この際、手段は選んでおられん」 伊藤「うまくいけば、日清戦争へ突き進むことができる」 山県「秩父の一揆のときも、同じようなことをいっておったな」 伊藤「あのときは、憲法制定へまい進、だったがな」 二人、笑う。 西郷従道の声「策謀はいけもはんな」 伊藤、山県、声の方を見る。 西郷「(現れて)策でひっかけて捕らえるだけが能ではありますまい」 山県「じゃあ、どうしろ、というのだ」 西郷「この信吾(従道の通称)に考えがありもすでな。まずはまかせてもらいもんそ」 53西郷邸・庭園 海軍陸戦隊が入ってくる。 54同・洋館応接間 陸戦隊将校と兵が入ってきて、西郷従道に敬礼。 将校「山本主事の命により、大臣の警護に参りました」 55目黒警察署・前 れいか・夏輝、釈放で出てくる。 民衆に歓呼で迎えられる。 56目黒川神社の社務所 屋内で、れいかと夏輝が語らっている。 夏輝「今回の釈放は、私たちを泳がせるのが目的ですよ」 れいか「それは分かっている。私たちが追い詰められているのも事実。でも、ここで決起しなければならないのも、また事実」 夏輝「お姉さま」 れいか「こうなったら全力で討ち入りよ。村の人たちを集めて頂戴」
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