メリッサの憧れ

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メリッサの憧れ

 今日は、メリッサが楽しみにしていたエマとのお買い物デーだ。  エマはみんなより少しお姉さんで、優しくて美人でとってもいい香りがする。 ✤✤✤  数日前のこと。 『おら、新しいお洋服を買うのに私についてきてほしいの?』  『はいっ エマさんのセンスで選んでもらいたいんです』 『私は毎日、宮殿で用意されたドレスを着ていたのよ。たからセンスなんて自信ないわ』 『でもっ、でも! 今のお洋服もとっても素敵なので、わたしっ』  メリッサは必死になって『お買い物デート』に誘った。  エマのように落着いた美人になりたい!  それがメリッサの夢だった。 『そこまでいうなら……、そうね、メリッサとの買い物は好きよ』  エマにとっても可愛らしいお人形さんのようなメリッサを着飾れるのは楽しい。  ヒラヒラの可愛いドレスを着させたい。   『やったぁ! あの、私……エマさんと同じような大人っぽい服を着たいんです。エマさんみたいに美人で大人っぽい人になりたくて』  可愛らしいこと一生懸命に言うメリッサの頭を撫でながら諭すようにいう。 『もちろん、好きな格好していいと思うわ。でもメリッサはメリッサよ。あなたはそのままでいいのよ。他の誰かになんてならなくても、あなたは素敵よ』  憧れて背伸びして無理するより、メリッサはそのままでいて欲しい。  もちろん、可愛い格好させたいという欲望もあるのだけどそれはエマは内緒にしている。 『エマさん……! ううっー! やっぱり好きっ』  感動して目をうるうるさせ、抱きつく彼女を受け止めると笑って頭をぽんぽんした。 ✤✤✤  cafe『彩』でエマさんと待ち合わせして、今日はこの世界のショッピングセンターに向かう。 「あら。早いわね、メリッサ」 「楽しみすぎて、早くきちゃいました! くるみさん、お土産買ってくるね」 「ショッピングモールに行くだけでしょ、いいのにー、お買い物デート楽しんできてね。ばん御飯はうちで食べていってよ。みんなも来るから」  くるみは、食器を洗いながら笑うとヒラヒラと手を降って二人を見送った。  今日は憧れの人とお買い物する、パンケーキを食べる、が目標だ。  夜はみんなで晩ごはん、今日も二人にとってたのしい日になりそう。  
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