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みんなでキャンプしよ!①
「ねぇ、皆で旅行しない?」
こういう企画を立てるのは決まって梨子だ。皆でワイワイするの大好き、イベントは私に任せて! が口癖。
「旅行か〜〜。そう言えば今年は皆で遊園地に行ったきりだもんね」
くるみがカウンター越しに、梨子が広げたパンフレットをペラペラとめくる。
キャンプ、温泉、リゾート地、大型テーマパーク。行きたい場所が多すぎてくるみは、うーんと唸った。
「どこも同じくらいの値段だから、どこがいいかアンケート取っちゃう? そこから先は全部私に任せといて」
グループチャットに、パンフレットを持って立っているくるみの写真が添付された。
▼
エマ『あら、いいわね。私は皆に合わせるからどこでもいいわ……どこも楽しいでしょう?』
メリッサ『え、エマさんと一緒のとこがいいです』
マナ『キャンプ! コテージに止まって自然を満喫するの』
若菜『キャンプもいいな、温泉も温まりそうだし……どうしよう、私決められない。おばけが出ない所ならどこでもいいよ』
くるみ『うーん、なんだかもう全部行きたいんだけど。それなら今年はキャンプにして来年初めに温泉行く?』
梨子『あー、なら! 来年は大型テーマパークに、リゾート地も追加して行こうよ。今年はもう残り少ないから、マナのキャンプ案を採用します!』
『『おっけー!!』』
グループチャットでワイワイ話し、お洒落なコテージで秋のキャンプを楽しむ事になった。
もちろん、キャンプにはつきもののバーベキュー、そして夜は皆で自炊、お鍋を楽しもうというスペシャルな計画だ。
✤✤✤
くるみの叔父さんの車を借りて北関東の方面でキャンプする事にした。
お互い具材を持ち寄ったり遊び道具を持ってきたので、リュックもパンパンになってしまった。
「みんなさぁ、お菓子とか詰め過ぎじゃない? 絶対またオールしちゃう流れだぞ、これ」
梨子は笑いながら、後ろの四人を見た。
エマは相変わらず読書、すやすや肩にもたれかかっているメリッサ。
楽しそうに若菜の指先を握って満面の笑みを浮かべているマナ。
若菜は眠いのか、空いた手で目を擦っている。
「みんな、今のうちに寝ておいた方がいいよ。だって絶対夜騒ぐもん。若菜寝ていいんだよ」
「うん……おやすみなさい」
「私は大丈夫よ。今日のためにしっかり寝たもの」
くるみは、二人の返事をバックミラー越しに聞くと、元気に目を輝かせているマナは、全く寝るような気配が無いことに笑った。
「やっぱり、自然の中で育った子は生き生きしちゃうんだなぁ」
「うんうん! もう、すっっごく楽しみにしてたんだよっ。私、バーベキュー奉行になる!!」
「今どき、〇〇奉行なんて言わないってば」
キラキラした目で見てくるマナに、梨子が頭を撫でてあげた。
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