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ゲーム開始
「では、お主は何人で挑むのじゃ」
「3人だ。俺は北海道に友達がいるんだよ」
「そうかそうか。では最後に、もし雪の写真が撮れた時には、このワシが勝った時用の契約書が燃える。それ以外の方法ではいかなる手法を用いても、破棄できなようになっている。やけになって破ろうとしても無駄じゃ」
「そんなこすいことはしねえよ」
「あくまで確認じゃ。では始めるぞ」
「あぁ……」
「スタート!」
太陽はかなり西に傾いている。タイムリミットは、後1時間半から2時間程度だろうか。
自然に雪が降ることは北海道であっても、可能性は低いだろう。
やはり、あの爺さんを説得するなりするしかないか……。
まずは小手先程度に。
「爺さんお願いがあるんだけど、ちょっとだけ、雪降らしてくれねーか?」
「もちろん断る」
そりゃそうだわな。
じゃあ今度は……。
「お願いします!! 雪を降らしてください! 何でもしますから! 靴舐めます! 舐めましてください!」
羞恥心を捨て、全力で土下座した。
「無理じゃな」
だよなー。ここまでは予想通り。
しょうがない。
俺はじいさんの胸ぐらを掴もうとしたら、視界から消えた。
「え……」
「ここじゃよ……」
気づけば真後ろに立っていた。
「最近の若者は、暴力的じゃのう。それと、その程度では、一生かかっても、ワシに触れることすらできんぞ」
マジかよ……。
何だこの爺さん。完全に舐めていた。
脅しが使えないとなるとかなり厳しい。
どうする……。
契約書を破棄する方向で行くか。いやしかし、それは無理と言っていた。おそらくあの発言は事実だろう。
考えろ……。
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