第六話 情報収集編 その1

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第六話 情報収集編 その1

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【名前】:姫小路 暁斗 【性別】:男 【年齢】:15 【職業】:高校生(職業ボーナス 制服時魅力UP) 【レベル】:0→2(経験回数) 【魅力】:66→68(フツメンが50) 【能力】:体液媚薬(微) 長さUP(微)(New) 太さUP(微)(New) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー おはようございます。カーテンから射し込む陽射しが強い。目をこすりながら起き上がっ…… 「ん?なんだこりゃ!?」 寝惚け状態が解けピントが合い始めると、目の前にファンタジーゲーム等でよく見るような半透明のステータスボードが浮かび続けている事が分かった。思わず手を伸ばしてみるが、通り抜ける。どうやら触れないらしい。 「嗚呼、これが……」 勇者召喚に巻き込まれた者に与えられた特別な能力と同等のものなのか……でもどうやって操作をするんだ?これがずっと目の前にあっては視界の邪魔過ぎる。 「消えろ消えろ消えろ!……あ、ちゃんと消えたわ。これで一先ず良し。まずは朝ごはんを食べるか」 階段を使って1階のリビングに向かうと、そこには愛しのママからの置き手紙が残されていた。原稿用紙数枚分はある程の長文だったので内容の紹介は省略しようと思う。因みに、ママは既に会社に行っており、今は俺一人だ。 手紙の要点を纏めると、襲っちゃってゴメンねと、でもあーくんが先に手を出したのがダメなんだよと、とっても気持ち良かったけど何処でこんなの覚えたの?と、7時までには帰って来るから外に出ないでねと、いう事である。その他にも朝昼ご飯は冷蔵庫にある事や、大人しく遊んでおく事、他の女とヤったの?などが書かれていた。滅茶苦茶ヤンデレ的な内容だったので滅茶苦茶可愛いなぁと思いながら今夜ハメると決意した。 そして問題。ステータスボードに書いてあるけど、俺って一応高校生だよな?高校行かなくていいの?今夜ママが帰ってきたら聞こう。それより今はやる事がある。 俺は冷蔵庫から朝飯のサラダとフォークだけ持って、リビング固定のパソコンを立ち上げた。今後の事を考えて取るべき資格があるのだ。 まず、高等学校卒業程度認定試験について調べる。春と秋に願書を配布されるみたいだ。チラッとパソコンの右下のカレンダーを見ると、 「……あれ?まだ3月!?春休み中なのか」 知らなかったぜ。まぁいいか。取り敢えず、資料を纏めてママに提出しておこう。簿記や行政書士、ビジ法や社労士についても同様に処理する事にした。 やべぇ。今日やる事の大半が終わっちまった。後はこの世界についての雑学的な事をサラダを食べながら調べるとするか。 先ずは、昨夜気になった女性の筋肉について。 男性獲得競争の中で女性の身体能力は格段に跳ね上がったらしい。数値を見ている限り、転送前の女性の2〜3倍は強いと考えるべきだろう。それを可能にする要因は筋繊維の質が向上したためだという。因みにだが、この世界に居る霊長類最強の女はマヂでゴリラやライオンをワンパン出来るみたいだ。ようつべ動画を観てて戦慄した。 次に結構気になる日本人男性の就職率についてだ。面白いことに男性でも結構働いている人は多い。男性人口の2割くらいだ。その内訳についてだが、殆どが結婚が出来なかった精液検査でG及びH判定つまり、不能及び無精子の男性達である。その他は働きたい系男子達によるものだ。まぁ、男って基本暇だもんな。分からんくも無い。 ん?今、サラッと精液検査ってワードを流してしまったけれど、それなんだ?独り言を呟きながらカタカタとキーボードを叩く。 「ええっと、精液検査とは?」 日本国の復興庁という行政機関のホームページへと飛んだ。そう言えば、転送前にも東日本大震災が起きた後に同名の行政機関が設立されたよなぁと、懐かしみながら記載された内容を読んでいく。ちょっと面白過ぎて吹いた。 その理由は、アダムとイブがリンゴ食べて神罰喰らってから人類は常に原罪を抱えてきた事が出だしに書かれていたからだ。そしてその原罪は人類の歴史の中で様々な伝染病として人間を襲ってきたらしい。ペストや結核、マラリアなんかがその代表例らしい。 「で、1852年に突如ロシアで大流行した男性を殺す病こと精死病がクリミア戦争を引き起こし、戦地へ行った兵士達と共にオスマン帝国、更にはヨーロッパ全土に伝染。その後、アメリカ大陸を初めとする世界全土へと感染の波がおしよせたと」 だが、1980年にWHOが天然痘の世界根絶を宣言した為、神は人類に乗り越えられない試練はお与えにならないと世界が奮起し、同年に日本でも復興庁が設立されたらしい。 復興庁の役割は毎年満15歳となった日本国籍を有する男子を集め、自覚症状と他覚症状の有無の検査、身長、体重、視力、聴力の検査、胸部X線検査、喀痰検査、血圧の測定、貧血検査(血色素量、赤血球数)、内臓機能検査、血中脂質検査、血糖検査、尿検査、心電図検査、更には精液検査を行う事である。因みに、この精液検査は毎年任意で受ける事が出来、前回の検査から5年以内には強制的に受けなければならないみたいだ。多分、国のお金も無限ではないから歳をとって勃たなくなったり、枯れてきた男達に回すお金を削りたいからその為の大義名分を得たいんだろう。 「ふ〜ん、毎年任意で受けれるなら今年も受けるか」 因みに、この精液検査はSとA〜Hの9段階評価に別れており、その結果により高いランクの者は、持たねばならない妻の最低人数や産まなければならない子供の数等の義務が高い分、生活費や養育費への補助金の額が変化するようで、例えばSランクは、最低10人以上の妻、15人以上の子供を持たねばならない代わりに、全ての税金免除及び、生活費養育費の半額負担という素晴らしい支援が付く。逆にGやHランクは何の義務も無い代わりに何の支援も得られない様だ。 各ランク毎の割合のグラフも出ているが、Sランクは1.5%と年収1500万族の割合と一致しており、Aランクも6%と年収1000万族の割合と一致、Bランクも6%と年収800万族の割合と一致………… 「結構闇深やなぁ……」 因みに、ランクが高い男性程、産まなくてならない子供の数が多いのは、ただでさえ、男女比が1:9で男性が少ないのにも関わらず、精液検査で戦力外通知を受けるE以下の男性の割合が55.92%となっており、実質的な男女比が11:225であるかららしい。 それ故に女性の男性へのニーズは半端じゃないらしく、25歳以上の未婚男性はその人の意思を問わず、強制結婚させられるみたいだ。 その時にこの精液検査のランクと女性の年収の階級でマッチングされるんでしょうね。なんか悟ってしまった。沢山SEXしまくって良質な精液とマジカルチンポを手に入れつつ、ステータスボードの【魅力】の項目を上げないとヤバいぞコレは。 取り敢えず、毎晩、ママとエッチしよう。そして、昼間は仮想通貨以外の手段で生計を建てる方法を考えよう。まぁ、最初に検討したいのは、転送直後から考えていたユーチューバーと言う方法だ。この世界にはYouTubeは存在せず、同様の動画サイトはヨウツベ動画というので、ヨウツーアーなのかもしれないが。 転送前のYouTuberの歴史は、2007年5月頃にYouTubeが閲覧数の多いユーザーに「YouTubeパートナープログラム」への参加を勧誘したことが始まりとされ、後にビデオ画面の隣側に広告掲載を条件にユーザーが利益を得ることが可能になり、2011年4月にはパートナープログラムを一般ユーザーにも開放された事により、より多くのユーザーが利用できるようになり、YouTubeの広告で収入を得る人物も現れたという。 第1・2世代が先駆者的な感覚で、第3世代がスマホゲームやグループ配信者等が出現し、YouTuberの存在が日本全体に広がった時代である。 そして、今俺がデビューを決めようと思っている2016年頃の日本のYouTuberは第4世代と呼ばれ、女性YouTuberやキッズ向けYouTuber、そして、過激系なYouTuber等、CHAOSな状態な時代だ。 その後の流れとしては、第5世代は家族で落ち着いて見られるものに志向が移り、第6世代では他コミュニティからのインフルエンサーの参入、第7世代では芸能人が参入している現代である。 ふむ、CHAOSな時代だからこそ、それを突っ走って生き抜ければ楽しそうである。 この情報を得た俺は秒速でママに提出する資料の作成に取り掛かり、同時に欲しい高性能のパソコンやカメラ、動画編集ソフト等の情報も列挙しておいた。 そして、コレ! 「スマホだよ!スマホ。なんで俺、スマホ持ってないの!?今2016年なんでしょ?スマホ持ってないとかマヂで生きた化石(シーラカンス)かよっつうの!」 はい、前世との記憶と同じく、2016年は格安SIMの成長期なので、検索を掛けた瞬間に鬼の様に情報が渋滞してます。ゆっくりと比較検討しながらコスパ良いのを選ぶか。 ぶっちゃけ泥担で良いんだけど、そろそろ、リンゴの侵食が始まる頃なのか?それなら、リンゴ買っとくか。高いけど。 まぁ今夜、パコパコしながらオネダリすれば絶対許可が通るだろう。 「にしても、ヨウツーアーとして何をするかだよなぁ」 先ず思ったのが、体張って面白い動画を作る事。運動神経無いから却下だな。 次に思いついたのは個人的な趣味であるbokoteならぬbokeroに突っ込んで行く動画。所謂、ツッコミ系YouTuberってやつだ。 これ滅茶苦茶オモロいんだよなぁ。そして、これが始まりだしたのが2018年からだから、余裕でツッコミ系を立ち上げた先駆者になれる。やろう。採用! 他にもゲーム実況とかしてみるか。オフラインゲームは視聴者と一緒にやるみたいな事が出来ないので却下として、問題はどのジャンルのオンラインゲームをするかという事だ。その前にこの世界のオンラインゲームの内情について調べた事を纏める。 大前提として、ゲームには3種類存在する。暇で暇で仕方の無い男性達が時間潰しにやる男性専用ゲームと、休日何もやる事ないし男も居ないし人生ゲームに費やしてやんよという拗らせ女性専用のゲーム、最後にカップルやキッズ、そこそこ良識のある女性やガチでやり込む男性専用ゲームに疲れという男性が息抜き程度にやるゲームの3種類である。 男性専用ゲームの特徴は、ログインする時に男性認証が必要で、狩りゲー又はリアルタイム育成型戦略シュミレーションゲーム、スポーツゲームやカードゲーム等が人気である。個人的には普通にやりたいが、システムや掲示板観てる限りマトモに遊ぶ為に要求されるデバイスが超高性能PCだ。初期投資ですら馬鹿にならない。しかも、毎月の平均課金額がえげつねぇ……女の金で遊ぶってこういう事かよ、という感覚だ。つまり、馬鹿みたいに金と家族に迷惑を掛けるし、ゲーム内も男ばっかで人間関係つまんないから一生やらないだろう。 女性専用ゲームの特徴は、要求される課金額がえげつなく、又、腐女子や拗ねらせ喪女率100%で、乙ゲー、BLゲー、エロゲー等が人気なジャンルである。ゲーム内容自体がつまんなさ過ぎるし、ストーカー被害に合いそうなので手を出さないのが賢明だろう。 と、なると、残るは老若男女問わない系のゲームである。ジャンルとしてはMMORPGやFPSを初めとする様々なゲームが存在するが、やはり屈指の人気を誇るのはアクション系、RPG系、パズル系だ。此方はPCもスマホもデバイスは 「う〜ん……どうするかだよなぁ。先ず、俺自身がパズル系苦手だし飽きるから論外として、問題はRPG系に手を出すか否かなんだよなぁ」 RPG系はなんと言っても数が多い。それにサービス終了が頻繁に行われる。つまり、ライバルが他にもいたら手が出しにくいのだ。 「となると、やっぱFPSかなぁ。まぁ昔、パブジーモバイルだけどでエースまでは行ったし、実際に実況自体もやった事があるから慣れてるしそれにするか。世界変われど俺もそこそこ強い方だろう」 FPSゲーはRPG系とは異なり、基本的なテクに共通項が多い為、移転が楽であるという事もある。つまり、俺が実況するゲームを変えたとしても、俺のフレンドや視聴者が着いてきやすいという事だ。これはかなりデカいメリットだろう。 「じゃあ、一先ず、4月までbokeroにツッコミを入れる動画を溜め録りして、4月から只管、ゲーム実況をする事にしましょう」 伝説の男子高校生ヨウツーアーの誕生はここから始まった。
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