ヤンデレ伯爵様から逃げられない(短編)

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「来月、姪っ子のクリスの誕生日があるんだ。プレゼントに悩んでいてね。君からアドバイスをいただきたかったんだ。背伸びしたがる子でね、いつまでも子供っぽいお人形ってわけにはいかないし」  なんだ。そんなこと……。 「今若い女の子の間では水晶のブレスレットが流行ってますよ。好きな男性の瞳の色と同じ水晶をつけたり、おまじないの効果がある水晶を選んでオーダーメイドで作るの」 「ほう。詳しいんだね。それでは君が是非見立ててくれないか?ちゃんと礼はするよ」  ニッコリと美形が微笑みかけてくる。  小説内でオスワルドとクローディアの絡みはなかったからよくわからないが、彼はクローディアに対してこんなに好意的だったんだろうか?  2人の結婚ってクローディアが一方的に推し進めたんでしょう?  前妻の件で女性不信に陥っていたんじゃなかったのかしら。 「えっと……店の者に聞けば流行とか教えてもらえますよ?」 「あっちは商売だからな。私が行けば適当に高価なものを勧めるだろう。そうじゃなくて、君に選んで欲しいんだ。今度の日曜日は空いてるかい?」
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