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そういえば、私の瞳も琥珀色だ。でも偶然よね?
店を出て、迎えに来た伯爵家の馬車に乗ると彼と対面する形で馬車に乗った。
「今日はありがとう、良い買い物が出来た。姪も喜ぶだろう」
「私も素敵なバレッタを買っていただいてありがとうございます」
「気に入ったようで私も嬉しいよ。お礼に、明後日の夜 食事にでも出掛けないか?」
「え?いえ、とんでもないです。こんな高価なバレッタも買っていただいたのに、お礼なんて」
「それは私が壊してしまった弁償で買っただけだろう、私が一緒に食事をしたいんだが……ダメか?」
「ぐっ……」
分かった。私は伯爵様のその捨て犬のような目に弱いんだ。
彼はそれを知ってか、ここぞという時に必殺技のように巧みに使ってくる。
「婚約したのだから気を遣わなくて結構だ」
『婚約』
「婚約……!?してないです、オスワルド様と婚約なんか」
「初めて会った時から結婚をしきりに所望してたのは君の方ではないか、気が変わったのか」
ああ、確かに。
私としての意識が入る前のクローディアは必死にオスワルド様の心を射止めようと攻めまくっていたっけ。
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