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栗色のショートヘアにソバカス顔の野暮ったい青年でクローディアの幼馴染であるケビンの耳にも入っていた。
彼はクローディアの親の知り合いの息子で、現在は父がやっている商会で運搬に関わる業務をしている。
「どこからそれを……」
「お前の親が彼方此方に言いふらしていたぞ。宝飾店の店主も店に来る客に面白おかしく言い回ってるな」
「事実無根、ただの噂よ」
クローディアはケビンに背を向けた。
「……え?」
「何?何か用だった?うちの屋敷にやって来て」
「何かって、クローディア、夜な夜などこかしらの貴族や金持ちの屋敷のパーティー行くから馬車を出せって頼んできたのはお前じゃないか」
あ、そうだった。
以前のクローディアは玉の輿を狙ってて、毎晩の様に社交界に顔出して夜遊び放題だったわね。
父は少し厳しかったから許してくれなくて、こっそり抜け出していたんだわ。
しかもケビンは幼い頃からクローディアの便利な召使い状態。いつもいつも高飛車な態度でワガママ放題アゴで使い彼を振り回していたっけ。
なんだか気の毒ね。
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