ヤンデレ伯爵様から逃げられない(短編)

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(どこがハッピーエンドなの!?死人出まくりじゃない!)  心の中で叫び、床に這いながらオスワルド伯爵を睨む。  椅子に座り涼しい顔で食事を続けている知的な感じのイケメン。親の運営する商会と彼に接点があって、なんとなく私と縁談の話が出て、オスワルド伯爵は興味がないようだったが親のゴリ押しで無理やり食事を一緒にすることになった。  屋敷で日中だけ働いている中年の家政婦さんは食事を並べるとすぐに退室してしまった。  以降2人きり。 (でも、チャンスかも……。彼とは結婚したくない!殺されちゃうもの!幸いなことに決まってないみたいだし)  死にたくない。全裸で氷漬けなんてゴメン。手が恐怖でガタガタ震えた。 「どうした?寒いのか?」 「いっ、いえ!ちっとも」  で、でも、私が彼を回避できても、ヒロインちゃんが危険よね?会ったことないけれど、でも胸糞悪いわ。  この男、サイコパスなの?……性癖?、少なくともメンタルが正常じゃないわよね。  彼の恋愛遍歴なら小説内で記述があった。  過去の初恋の相手や前妻がよっぽどトラウマなんだろう。 「あ……あの、伯爵様」
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