ヤンデレ伯爵様から逃げられない(短編)

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 ここは一発、説教してみるか!これで改心してくれたらいいんだけど……。  私は伯爵様の目を真っ直ぐと見つめた。 「恋愛っていうのは自分と相手、2つの心を通い合わせるものです!」 「……」  ハァ?って言いたげな顔をしてる。でも構うものか。 「一方的に相手を思うだけじゃダメ!そりゃ自分とは違う人間よ。考え方も違う。移り気するときもあれば、心がすれ違うときだってあるんです。相手は人形じゃありません。自分の思い通りにはならない時だってあるでしょう。だから全く違う人生を送ってきた方と奇跡的に思いが通じ合うことがどんなに貴重で、尊くて、素晴らしいことか……!  相手を思いやり、相手の幸せを願うこと、これが真の愛です!相手の気持ちを無視して我を押し通すのは愛とは言いません。ただの自己中です!迷惑以外の何者でもないし、虚しいだけです!言いたいことはそれだけです!以上」  たった18歳の少女が脈絡もなく必死にご高説を垂れている滑稽な図。  伯爵様は目を点にしてポカンと口を開けていた。  変な女だなぁ……。  そう思ってるんだろう。
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