ヤンデレ伯爵様から逃げられない(短編)

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 流石にキレて襲ったりはしないわよね?心証が悪くなったところでこちらは困らない。  こんなおっかない男とは関わりたく無い。  今日の食事会はあくまで両親がセッティングしたもの。  本来なら父が招かれていたが、要らない気を回されて私が代理で来ることになった。  本来のクローディアは強欲で金の亡者って感じの高飛車なお嬢様。  伯爵家のイケメン?付き合えたらラッキーって感じでホイホイやって来るのよね……。前世の記憶が戻る瞬間までは、伯爵様にバリバリ媚びを売るような風で猫なで声でくねくねしながら色目使って喋っていたのに、突然人が変わったように説教って変な子よね。  我ながら電波……? 「想い合えるのは…奇跡、か。例え想い合えていても、人の心は変わる」  彼は寂しげな目で皿に入ったスープを見つめていた。 「当たり前です!生きてるんですから!良い方向にも、悪い方向にも人は変わります。この世に絶対なんかないですから」  そう絶対なんてない。  この人だってなにかきっかけがあれば凶行には及ばないと思う。  私だってそう簡単には死なない! 運命を変えるんだ…。
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