ヤンデレ伯爵様から逃げられない(短編)

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「あら、もうお帰りになるんですか?クローディア様」 「ご馳走様でした!お料理がどれも美味しかったわ!」 「どうも~。旦那様が女性をお招きになるのは本当に久し振りよ。また、いらしてくださいね」  感じの良い家政婦さんだ。  もう来ることもないけれど……、胸の内で呟きつつ伯爵家の屋敷を出た。  扉に手を伸ばした瞬間だった。  腕が伸びてきてバァンッ!っと激しく扉を叩いた。  恐る恐る振り返ると…… 「オスワルド伯爵……」  イケメンの壁ドンは破壊力がありますね。  振り返り、お淑やかに笑ってみせた顔が痙攣している。 「またいつでもいらっしゃい」 「ええ、きっと、たぶん、いつか、さようなら」  永遠にグッドバイ!笑顔を作りながら心の中で中指を立てた。  しかし、運命とは残酷なもので……。  これは……ストーリー補正なの? 第2話 1週間も経たない内にクローディアの元に伯爵様から手紙が届いた。  どうやらクローディアがあの日髪につけていたバレッタを伯爵家の屋敷に忘れて帰ったそうだ。取りに来て欲しい、ついでにお茶でもどうだ?とお誘いをいただきました。
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