あたしと契約してス魔法少年になってよ!

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「まったく……文句の多いご主人様ね! でもいいわ、今回は特別に契約してあげるから!」 「……人の話を聞いてないな、お前。それにやたら『契約』『契約』と拘るけど、それって何かと引き換えさせるつもりだろう? いったい僕に何をやらせようって言うんだ?」  こういうのって、後でトンでもない代償が待ってたりするもんなんだよな。 「あ……大丈夫、そんな大した事はないから」  アルテミスが眼を反らしやがった。これは絶対何かあるヤツだろ! 「待って! 大丈夫、ホントに大丈夫だから! ちょっと割高だけど、ちゃんと50ギガまでは基本パックに入ってるし!」 「ただのスマホ契約じゃねぇかぁぁ!」 「ううん、お金の事ならそんなに心配しなくていいわ? 何なら格安契約プランだって用意してるんだから!……50メガしかついてないけど」 「ギガじゃなくてメガかよ! 1/1000じゃねーか! 下手したらメールも出来ねーよ!」 「い、今なら大人気RPGも出来るわよ?! ……課金しないとスライムにも勝てないけど、あくまで基本は無料だから!」 「何が楽しいんだよ! そのドMゲー!」 「仕方ないじゃん! 無課金だと『村人A』で固定なんだから……どうせ、ご主人様なんてリアル世界でも『村人A』のモブキャラなんでしょ? 一緒じゃん」 「ディスってんじゃねーよ! その通りだけど! でもゲーム世界まで『村人A』やりたくねーんだよ!」 「おっけー! じゃぁもう『契約』って事でいいかしら? あ、ブラックリストに載ってると割賦が出来ないから要注意ね!」  アルテミスが強引に話を打ち切りにくる。 「よくねーし! 契約もしねーよ!」 「後はあたしに任せといて! ちゃんと引き落としは来月からにしておくから!」 「どっか行けぇぇ!」  僕は『アルテミスのスマホ』を思い切り空中にブン投げた。 完
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