第1章 卵を買いにいかなきゃ!

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第1章 卵を買いにいかなきゃ!

「もうすぐ良太帰ってきちゃう!」 エプロンをはずして、息子が公園から帰ってくる前に、卵を買いに出かけようと、いつものポシェットを肩にかけながら急いで外に出た。今日は夕飯に良太の大好きなオムライスをつくる予定なのに、卵が足りないことにさっき気づいたのだ。主役の卵が足りなくてはオムライスは作れない! 急いで玄関のドアに鍵をかけ、自転車に乗って、日の暮れかかったくねくねした路地を曲がって大通りに差しかたった時、信号が点滅した。でもまだ何とかわたり切れるだろうと思い、止まらず突き進んだのだ。そうしたら、わたり切る前に左折してきたトラックが急に視界に現れた。 「あ~!ぶつかる!」 と思った次の瞬間、何もわからなくなった。 気づくと、自分がトラックとぶつかった辺りに救急車やパトカーが何台も停まっていて、歩道に人だかりができている。私、トラックに当たった衝撃で飛ばされたけど、引かれずに無事だったのかな?良太が家に帰ってるかもしれないからすぐ帰りたいけど、とりあえず、警察の人に事情を説明した方がいいかな。と思い、事故現場に近づいて行ってびっくりした。自分が血みどろになって倒れている。 「え、これってどういうこと?」 一瞬わけがわからなかった。もしかして、私がここにいるのに、体は血まみれで横たわっているということは・・・私、死んでるの?! ショックでまた気を失った。
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