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いつかに繋がるエピローグ
戦いは終わった。
最悪な形で。
その場に居る誰もが涙し、桐人はただ悔しさと悲しみから自分を責めていた。
「やっと…やっとあいつが心を開こうとしてくれたのに…。
茜は死んだ。
そして消えていった。
最後に自分に会えて良かったと言い残して。
そんなの自分だってそうだ。
けして仲良くなんかなかった。
でも確かに彼女は自分にとって大切な存在だった。
それなのに…。
結局全部最初に雨が予想した通りに鳴ってしまった。
「桐人さん。」
と、そこで光が声をかけてくる。
全員が泣いている中で、彼女だけは未だに落ち着いているように見えた。
「ひとまず落ち着いてください。」
「こんな状況で落ち着ける訳無いだろ!?」
「大丈夫です。
彼女を救う方法はまだあります。」
そう言って彼女は悲劇の舞台で微笑んだ。
それは小さくともそんな暗闇を確かに照らす光のようだった。
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