黒い隠しごと

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 心が籠ってないから、本当は気遣ってなんかいないから。  私の大事な人を潰してしまったんでしょう?  許さない。本当に許さない。  でも、このことは誰にも言わない。  この心は言わないわ。  だって、言ってしまったら「鎖那ちゃんはわかってないから仕方ない」になるのが目に見えているんですもの。  だからね。  私、貴女が苦手な精神攻撃をじわじわとすることにしたわ。  私の苦しみと、大事な人の苦しみ。  両方味わいなさい。  ああ、彼女が戻ってきた。  顔色が少しよくなったわね。  なら、攻撃してもいいわよね。  でも、私が攻撃していると気付かれない、じわりとした針だけよ。 「ああ、おかえりなさい。薬の時間また忘れてたの? 仕方がないわねぇ。あのね、本当は私は言いたくないけど、上がね、あまりいい顔していないの。私も守れるのは限界があるの。申し訳ないけど、またこういうことがあったら、どうなるかわからないわ。だから気をつけてね。病気を理解してあげられても、お店に影響が出たり私自身に支障が回ってくるのは違うと思うの。ごめんなさいね、私も私が大事なのよ。だから、周りに全く守られなくても恨まないであげてね、みんな自分のことに必死なの。貴女ばかりを一番大事にできるわけじゃないのよ」  ”貴女とお店のためを思って言っているのよ”  周りにはそうとしか見えないだろう。  私の隠した言葉は見えてないでしょう。  だから私の心を見ているアナタにだけ教えてあげる。  私はね、こう思って言っているのよ。
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