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「僕に解説させてください」
説明しようとする先生の前に出たキセくんは、ベッドに備え付けてある握り型のコールボタンをマイクに見立て、軽快に語り出した。
「これはリヒテンベルク図形と言われる雷撃傷なのです。
汰士さんの体表面を流れた放電流にそって
シダ葉模様の火傷痕が残り、皮膚に可視化されたものを指しますが、ここ日本では雷紋とも呼ばれますね」
「ほう、、、」
少し落ち着きを取り戻したのか、親父は立ち上がって興味深げに顔を近づけてきた。
「何しろ僕のPCに搭載されていた感知器では最高30000Aに達する高エネルギーの衝撃波を記録していたのですから、恐らくは同じほどの雷電が汰士さんの身体を一瞬で貫通したと思われます。
全くのところ、これだけで済んだのは奇跡なのです。
、、、以上、木瀬春馬でした」
「そうなんだ、、、」
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