不思議の国のマッサージ屋さん

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だが、お茶とアロマオイルとは洒落ている。 普段彼女のやるマッサージというのは、力任せにやるガサツなマッサージであまり技量というものを 感じたことがない。 それが、今日アロマオイルとお茶とは……正直びっくりした。 「というわけでさっさとお湯沸かせちゃって!次の予約入っているんだから」 「ああ、わかったわかった」 そういいながら脳裏にふとある疑問が浮かんだ。 「なあお茶とアロマオイルって滅茶苦茶貴重なんだろ?いいのかそんなもの使って」 「へっへっへ聞いたよ!今日君はー、大型クエストをクリアしてー、ちょっと懐がー裕福なの!」 ギクリとした、どこで漏れたんだろうその情報は。 確かに今日は懐事情が暖かい、にしてもこんな高価なものを二点も買わされてしまうと儲けがふっとびかねない! 私は彼女を追い返そうかとも考えた。 しかし、いや……と思い留めた。 彼女には今まで懇意にしてもらっている。 一人ヒーラー兼コックの女の子も彼女に紹介してもらったこともある。 お茶とアロマオイルなるものも気になるし、……なによりイイところ見せたかった!
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