6人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
どうやら、彼女はこの店で働いているらしかった。そのことは、彼女が僕に、何かお探しですか、と声をかけてきたことでわかった。
僕は話すきっかけをつくるために、探してもないものを適当に答え、そこまで案内してもらった。
「ありがとうございます。」
僕はお礼を言った。
「どういたしまして。」
彼女は笑顔で答えた。
その顔は、透き通るような美しさと、柔らかく、優しい雰囲気を含んでいた。
「あの、毎日働いていらっしゃいますね。大変じゃないですか?」
僕は何か話したくて、そう聞いた。
「まあ、大変です。でも人手が少なくて、仕方ない面もあるんです。」
その人は笑いながら、ひそひそ声で答えた。
「もしかして、求人とかしてますか?」
実際の所、僕は今仕事を探していた。だから僕はチャンスだと思い、彼女にそう尋ねた。
するとその人は、少々お待ちください、といってどこかに行った。
そしてすぐに戻って来て、
「お待たせしました。ええ、しているようですよ。」
と答えた。
やった!
僕はすかさず自分が仕事を探していることを言うと、気を利かせてくれていた彼女は、3日後以降にまた来るようにと責任者が言っておりました、と教えてくれた。
舞い降りた奇跡に僕は胸を躍らせ、彼女にお礼を言い、買い物を済ませて3日後にまた来ることにした。
最初のコメントを投稿しよう!