ぼくのはなよめ

2/23
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
どうやら、彼女はこの店で働いているらしかった。そのことは、彼女が僕に、何かお探しですか、と声をかけてきたことでわかった。 僕は話すきっかけをつくるために、探してもないものを適当に答え、そこまで案内してもらった。 「ありがとうございます。」 僕はお礼を言った。 「どういたしまして。」 彼女は笑顔で答えた。 その顔は、透き通るような美しさと、柔らかく、優しい雰囲気を含んでいた。 「あの、毎日働いていらっしゃいますね。大変じゃないですか?」 僕は何か話したくて、そう聞いた。 「まあ、大変です。でも人手が少なくて、仕方ない面もあるんです。」 その人は笑いながら、ひそひそ声で答えた。 「もしかして、求人とかしてますか?」 実際の所、僕は今仕事を探していた。だから僕はチャンスだと思い、彼女にそう尋ねた。 するとその人は、少々お待ちください、といってどこかに行った。 そしてすぐに戻って来て、 「お待たせしました。ええ、しているようですよ。」 と答えた。 やった! 僕はすかさず自分が仕事を探していることを言うと、気を利かせてくれていた彼女は、3日後以降にまた来るようにと責任者が言っておりました、と教えてくれた。 舞い降りた奇跡に僕は胸を躍らせ、彼女にお礼を言い、買い物を済ませて3日後にまた来ることにした。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!