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そのまま僕はたくさんの警官隊に拘束されながら、山を下りさせられた。
そして、警官隊の巣窟につれていかれ、ある部屋に閉じ込められ、怖い顔をした警官隊に色々聞かれた。
なぜ、あの男を刺したのか。
なぜ、レイアを誘拐したのか。
僕は全てを話した。
レイアが男に拘束されて、辛い思いをしていたこと。
そのレイアを僕が助けたこと。
僕は犯人なんかじゃなくて、逆に被害者で、捕まるべきはあの男だと言うこと。
全てを話した。
全てを話したのに、その警官隊たちはまるで僕の話を聞かなかった。
「仕事場で彼女につきまとい、近くに引っ越しては彼女を監視し、拘束しようとしていたのはおまえの方だろう。
それに、彼女の婚約者はそんなおまえから彼女を助けようとしたのに、おまえは逆上して男を殺そうとした。
そして、彼女をさらい、最終的には真実を知ったおまえは逆上して、彼女までも殺そうとした。そうだろう?」
警官隊の1人がいった。
まるで事実と違った。
部外者が、知ったような口をきいていることに腹が立っていた。
「ちがう…なにもかも、ちがう。僕とレイアは愛し合っているんだ。あの男は悪者なんだ。僕にしか、レイアは守れないんだ。知ったような口をきくな!」
僕は必死に反抗した。
「嘘じゃない。彼女の証言だ。それは全て、おまえが都合良く解釈しているだけだ。いい加減認めろ。」
彼女の、証言?
「レイアがそういったのか?」
僕は聞いた。
「ああ、そうだ。」
警官隊は答えた。
そんなはずはない。
この男は嘘を言っている。
僕をおとしめるために、ありもないことを言っている。
こんなこと、あっていいはずがない。
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