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行列さ見でると豪華な赤い篭が前を通った。 「……助けて!」 その篭さ載って居たのはわたすと歳さ変わらない、アリエス族の男の子だった。 手錠をされ、助けてとわたすに言った途端に隣に人馬に乗っていたアリエス族のおっさんに首輪の鎖ひっぱられた。 (可哀想だべなぁ…) 青い綺麗な瞳の、綺麗な男の子は涙さ浮かべてわたすをじっと見ている。 「う…うぉりゃあああああっ!!」 わたすはクワを振り上げて行列さ突っ込んで男の子の体さ担いで走った。 「えっ、あっ、ありがとうございま…痛っ」 「喋っと舌噛むで!」 土埃を上げながらわたすは無我夢中で森の中さ逃げ込む。 「ふー、此処までこれば大丈夫だべ」 森の泉で男の子を下ろす。 「あ、有難うございました…」 おどおどしながら男の子はお礼を言う。 「いいっていいって。それよりお前さん、名前さなんて言うだ?」 「ぼ、僕はアリオ…アリオです…」 アリオか…。 「ええ名前だべな。わたすはミノコ。 アリオはなんでさあんなとこさいただ?」 今もアリオの首には首輪と鎖、手首には手錠がはめられている。
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