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「ここは本当に孫を救ってくれるのか?」
本日のお客様は、齢90歳くらいの老人男性のようです。
「申し訳ありません。私共は、救うことができるとは断言できないのです」
「どうしてだ?」
「救われるかどうかはお客様のお孫さん次第です。我々にできる事は、今見ている夢を壊す事のみですので…」
「みっちゃんの孫がひきこもり生活から救われたって聞いたから来たんだが、どうやら無駄足だったようだな…」
あちらでのご友人からのご紹介でしたか。お孫さんも引きこもりとなると…
「あいつは仕事を頑張っているんだが、今にも自殺しそうだから不安で不安で…」
引きこもりではない。ストレスによる鬱からの死亡願望。となりますと…荒れくれ者ですかね。
「ご依頼承りましょう。こちらの用紙に、お孫さんの年齢、職業、及び大まかな性格等を記載ください。」
「頼む…孫が苦しむ姿を見る事しかできないのは本当につらい…」
「はい、ふさわしき夢を彼に。それでは──」
おやすみなさい
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