2.チャーウィン教授という人

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 ノックをして研究室のドアを開けると、中ではピッピ君が、教授の資料を整理していた。 「ああ、衛士長さん、こんにちはぁ」 「教授は?」 「もうチャイム鳴ったんですけど、前の講義が結構延長しちゃってるんですかね。間もなく講義から戻られると思いますよぉ。  お茶でも飲んでお待ちになっててください。衛士長はコーヒーでしたっけ? いや、ニステイトのほうでしたね」 「どっちでもいいよ、ありがとう。じゃ、待たせてもらうよ」  衛士長にお茶を入れているこのピッピ君なる人物は、本名をピピドゥーエン=フォンデンという。  もとはチャーウィン教授の教え子で、教授の講義に感銘を受け、今は別に仕事を持ちながら研究室に出入りしているという話だ。  ぽってりとした巨漢体型で、話すときに語尾を変に引き延ばす癖がある。
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